尿路結石と対処法 <我が家の闘病履歴>

2023年10月13日

尿路結石を発症したわさび。

この冬、我が家の猫(わさび)が尿路結石になりました。
身近な病気ではありますが、放置すると更なる病気を引き起こす尿路結石。
今は快復しつつあるので、発覚したきっかけと対処、普段やっていたことなどをまとめます。

目次
  • 発覚したきっかけ
  • 原因と推定されるもの
  • 対処法と手応え
  • 発覚前にやっていたこととフードへの理解
  • おまけ:同居猫の反応と個体差

尿路結石が発覚したきっかけ

我が家ではシステムトイレで、一週間もつタイプのシートを使っています。
休日に掃除するその普段のルーティンで、心なしかキラキラしているような気がして・・・
光を当ててみたり、検索するなりして、尿路結石のようであることが判明。

実際のペットシート。写真右側に見える白い点が結石。

ペットシートを変えたのち、結石のような輝きがやはり見えるかと、トイレの様子を確認。
ペットシートにはやはり尿路結石のようなキラキラがありましたが、血尿のようなものは見当たらず。
わさび自体は、トイレに行くことを渋るでもなく、大も小も出しにくいという様子もありませんでした。
トイレを渋ったり排泄自体が苦痛を伴うようであれば、緊急性が高まりますが、この時点では結石(らしきもの)以外の症状はなし。

緊急性が判断つかないこと、キラキラは写真には写りにくいことから、動画で様子を撮影し、わさびを連れて行く前に病院に相談。
尿路結石の場合、猫を連れて行ってもすぐに治療ができないこともあり、その場合は先に尿検査をするのが良いようです。
猫の負担が気になる人は、電話なりLINEなりで、先に病院に相談すると良いでしょう。

我が家の場合はLINEでの問診の末、トイレを渋る様子も血尿もなし、その他の不審な点はなかったため、猫の通院は不要で採尿キットをもらいに行くことに。
キットをもらって、自宅でわさびのトイレを狙って採尿することに。

採尿は、システムトイレであれば、下のトレイにペットシートを入れずに採取することもできます。
(精密な検査の場合、猫砂の成分が入らないように、トイレ中の猫の下にそっと紙コップを入れる方がきちんとした検査ができます)
が、新鮮なうちに検査をしないと、放置した環境によっては出ないはずの結晶が出ることもあるようなので、病院が開いている、かつ、飼い主が動けるタイミングにトイレをしてもらわなければなりません。
共働きの我が家の場合、休日の早朝しかそのタイミングがないので・・・一週間ほどかかってしまいました。
長引けば長引くほど、猫がしんどい時間が長引きます。
できるのであれば早めに、そして猫にストレスがかからないようにできるのが理想です。

本人(猫)はいたって元気なそぶり。採尿も嫌がりません。

採尿後、すぐに病院へ。
行きつけの病院では当日、15分程度で結果を教えてくれました。

尿検査は、結石の他にも、
・タンパク質量
・pH
・血
・細菌
・細胞
などの量や混入の有無を確認してもらいました。

結果は予想していた通り、ストラバイト結石が検出。
pHは正常の範囲内でした。

尿路結石は主に二種類あり、ストラバイト結石は若い個体にみられやすいマグネシウム由来のものです。
なお、カルシウム由来のシュウ酸カルシウム結石は比較的歳をとった個体に見られやすいものです。

検出された結果をもとに、原因と対処法を先生と話しました。

尿路結石の原因と考えられるもの

問診と尿検査の結果から、

  • 水を飲まなくなったこと
  • 結石ができやすい体質

あたりが原因だと想定されました。

わさびはとにかく水を飲まない子で、日中は寝てばかり、猫じゃらしも3秒で寝転ぶぐうたら猫。
(同じアラサーとしてちょっとどうなのと思うことはあります)
特に冬場は水の摂取量が少なくなりがちで、体質によっては結石ができやすいことがあるそうです。

もちろん猫によって想定される原因は様々で、食べているフードの栄養バランスが悪いことも。
また、硬水を与えることでミネラル過多になり、結晶化しやすくなる可能性もあるということです。
体に良さそうだからとミネラルウォーターを与えている場合は軟水に変更したり、日本では多くの場合当てはまりませんが、水道水も地域によっては硬水が出てくることもあるため、水の見直しが必要になることもあります。

放置すると結晶が尿道を傷つけ、血尿が出たり排泄自体を嫌がる(痛みにより)ことで膀胱炎になることも。
重症化する前に、見つけ次第医師の判断を仰ぐことが何より大切です。

我が家では比較的早期に見つけることができたとはいえ、重症化しやすい雄猫での発症。
早々に改善したいので、あれこれ対策を実施しました。

尿路結石の対策と手応え

対処方針は大きく以下の3つ。
① 水をとにかく飲む
② フードを変える
③ 生活環境を整える
上から順に試してみました。

結果わさびは①の水対策でなんとか変わりましたが、長引くようなら・緊急性があれば、②③も並行してやっていく必要があります。重症化している場合・他の病気も併発している場合は、その場で投薬や手術が必要なこともあります。
一つ一つ試していける状況かどうかは、猫の状態と相談です。

我が家では①の水対策を中心に行いましたが、実際に行った対策はこちらです。

  • ドライフードをふやかす
  • 水飲み場を増やす
  • 自動給水器を導入
  • 水分が多いおやつを試す
  • 水回りをとにかく清潔にする
  • 遊ぶ!(運動量を増やして水を飲んでもらう)

猫によって相性はありますが(最後のおまけ参照)、わさびについては、このような成績でした。
◎・水分が多いおやつを試す
△・自動給水器を導入
△・水回りをとにかく清潔にする
×・ドライフードをふやかす
×・水飲み場を増やす
×・遊ぶ!(運動量を増やして水を飲んでもらう)

まず、ドライフードはふやけません。
熱湯を注いでしばらく置いて、スプーンやフォークの背で頑張って潰す形になりますが、コンビニでもらえるプラスチックのスプーンではほぼ潰せません。
また、そもそもドライフードがあまり好きではない子は、水が入るとさらに嫌がることも。わさびはこのタイプで、しばらくドライフードも嫌いになってしまいました。

お湯浸しフード。5分経っても丈夫さはそのまま。

水飲み場はもともと個体数+1を準備していましたが、使われていない飲み場もあったので、せっかくならばと自動給水器を導入。同時に水回りを綺麗にしておきました。
嫌がる子もいるとのことでしたが、わさびは嫌がることはしませんでした。ごく稀に自動給水器から飲んでくれますが、これがあるから水分摂取量が増えたというほどは使ってくれず、観賞用になってます(実際にじーーーっとみていることが多い)。
家に噴水ができた、くらいの感覚なのでしょうか。

湧き出る水をじっとみるわさびの後ろ姿。LEDがいけないのか・・・?

一番ハマったのは、水分が多いおやつを試すこと。
ちゅ〜るをあげることもありましたが、それではあまり改善されず。
次に試したフリーズドライのささみをお湯でふやかしてあげていくと、食いつきも良い上に少しずつ結石が少なくなり、数週間すると無くなっていました。

肉が塊の状態で乾燥されていて、食べ応えもあったようで大好評でした。

季節も冬から春になり、物理的に水を飲む頻度が増えたというのもよかったです。
尿路結石がわかった時から暖房を一段あげておいたのも効いたと思いたいです。

季節が変わっても、あまり遊んでくれないのは変わらず・・・
ただ、必死になって運動させようとした結果、思わず飛びついてしまう猫じゃらしの動かし方は習得しました。

というわけで、暖かくする+水分たっぷりおやつで、水分量を増やした結果、尿路結石の症状が落ち着きました。

発覚前にやっていたこととフードへの理解

尿路結石は珍しい病気ではなく、特に雄猫では尿路が狭くなりがちなため、結石が尿路を傷つけて重症になりやすいです。
また、避妊・去勢手術をした猫は特にでやすい症状なため、尿路結石対策のフードをラインナップに入れているブランドは多いです。
これらのこともあり、二頭とも避妊・去勢手術済みの我が家では、最初から下部尿路対策フードを与えていました。
それでも、わさびは尿路結石を発症しています。
それはなぜか。

まず、猫のフードについては、人のフードに比べて基準が緩いことが挙げられます。
尿路結石対策、下部尿路ケアなどのフードには、「結石を溶かす(結晶化を防ぐ)」成分を入れているものから、「pHバランスを調整する」「ミネラル配分量を適正にする」配合をしているものまで様々。
もし尿路結石を発症してしまい、フードで対策をしたい場合は、病院で症状のレベルにあったフードがあるか相談するところから始めるのが良いでしょうか。

一方、同じフードを食べている同居猫は尿路結石は発症していません。
なので、今のフードが尿路結石に対して何の対策にもならないとは思っておらず、わさびの体質には合わなかったという解釈をしています。

フードを変えるストレスや体への影響も考慮して、今までのフードに戻しています。
再発したらその時に、フード変更も含めて別の対策も実施していくつもりです。

まとめ

自動給水器を眺める横顔。LEDなしのものもテストしてみたい。

バランスよくご飯をあげていても、尿路結石はなる時はなるという怖い思いをしました。
そして、トイレは健康のバロメータということも痛感しました。
最近は目視でシートを確認し、キラキラしてないかじっくり観察し、安心するというところまでが朝のルーティンになりました。

尿路結石は再発しやすい病気です。
わさびは今は改善しましたが、次の冬、その次の冬にまた症状が出る可能性も。
これを機に、猫それぞれの病気の履歴を作っておこうと思い、この記事を書きました。
飼い主に万が一のことがあった場合を考え、アナログでも残すようにします。

遊ぶ・寝るのバランスは性格や年齢によって違うので、わさびがあまり遊ばなくても気にしすぎることはありませんでしたが、今後より一層気をつけて見ていきます。
最後に愛猫の健康を守るのは私たちオーナーであることを肝に銘じて、これからもなるべく健やかに暮らしていってもらえるように環境を整えていこうと思います。

おまけ:同居猫と個体差

怖い話で締めるのもなんなので、蛇足エピソードを追加します。

合う・合わないがあった尿路結石対策ですが、猫によって全然違う反応を示してくれました。

ツーショット。手前側でちゅ〜るを狙っているのがしぐれ。

同居猫しぐれ(1歳半、雌、健康体)は、

・お湯浸しカリカリ→わさびが残した分もペロリ
・自動給水器→自分用の水飲み場より好きで、一日何回も飲みに行く
・おやつ→もちろん大好き、わさびが食べていてもぐいぐい
・遊び→猫じゃらしはもとより、ただのゴミでも一人で遊べる

という、わさびがダメだった対策も全てハマっていました。
もとよりごはんも遊びも大好きな子なので、これらの対策はしぐれが好きな範疇だったようです。

わさびは缶詰などのウェットフードが好きなので、振り返るとハマった対策(おやつで水分量確保)はわさびが好きなものの範疇に入ります。

猫も人も、好きなものなら効果が大きいんでしょうか。。。
やはり何かあった時の対策は、いくつか用意してみるのが良さそうです。これも良い教訓になりました。