ウールサッキング改善までの道 -我が家の場合

2021年8月2日

我が家にはウールサッカーがいます。
布や紐を噛み、誤飲し、病院にかかったり吐いてしまったりを繰り返していました。
色々と試すうちに症状が落ち着いてきたので、その経過を記録しておきます。
※再現性があるかはわかりません。自己責任でお願いします。

我が家のウールサッカー、わさび。

我が家のウールサッカーの説明

名前はわさび、キジトラのオス。猫エイズウイルス陰性、猫白血病ウイルス陰性。今の所健康優良児。
元保護猫。生後1ヶ月で母猫から離れてしまい、妹猫とともに保護される。
遊びが大好き、人馴れもしている飼いやすい子。
何故か2回トライアルに失敗、3回目で我が家とご縁があり、7ヶ月でうちの長男に。
現在2歳離れたミックスのメス(しぐれ)と私たち夫婦と暮らしている。

ウールサッキング発覚


うちに来てから1〜2ヶ月くらい

わさびを我が家に迎えてからしばらくして、髪ゴムを食べてしまうことがありました。
うっかり床に落としてしまっていたものを噛み噛み、むちゃむちゃ…。
飲み込んでしまうこともあり、うんちに出してくれるのを祈る日々を過ごしたことも。
思えばこの時には既に、わさびは立派なウールサッカーでした。
他にも、気に入った紐のおもちゃを思いっきり噛んだり、段ボールをガジガジ噛んだりと、様々なものに手を出してしまっていました。
ひとまずは髪ゴムを落とさないように別の部屋に保管するようにして、おもちゃ入れも扉付きのストレージに入れるようにしました。

もう少し経って

髪ゴムが手に入らなくなってから、段ボールへの当たりが強くなり、顎を角に当てる仕草がやたら増えました。
歯磨きトレーニングも兼ねて、歯磨き兼用のおもちゃを与えましたが、それも隙を見て食べてしまい、その後吐いてしまうように。
お気に入りのおもちゃも、一瞬のうちに紐の部分を食べてしまうことが時折あり、お願いだから出して、吐いてと祈る日も。
加えて、爪研ぎなどのダンボールを食べている可能性も出てきました。
預かりさんがくれたブランケットを噛みだした時には、勿論すぐに取り上げましたが、次は何を噛んでしまうのだろうと私たち飼い主が不安で仕方がなかったです。

最終的には

最後には、私の布団を噛み、食べだす始末。
1枚ではなく、毛布、布団、フリースの布団カバーと、3~4枚はダメにされました。
その時我が家は、1LDKの仕切りを取っ払ってワンルームのように暮らしており、寝室とわさびの活動範囲が重なってしまっていたのです。
私が布団無しで寝るか、わさびの活動範囲を限定するという現実的でない策しかなく、
ウールサッキングの有効な対処法である「取り除く」が事実上できなくなりました。
布団に穴が開くたび、欠けているところがないか確認して、誤飲が疑われるたびにうんちに出てないか確認して、病院に相談して、誤飲してしまった後寝ているだけのわさびの呼吸が正常か確認して…。
私たちが寝ている間に何を噛んでしまうのか、飲み込んでしまわないか、眠るのがとても怖くて不安だった時期でした。

被害状況

誤飲してしまった主なものを記録しておきます。(疑いも含めて)
・髪ゴム
・猫用ブランケット
・段ボール
・座布団
・おもちゃの紐
・歯磨き用おもちゃ
・布団
・布団カバー
・毛布
・椅子の布部分
・キャットタワーのウール部分

iPhoneのケーブルなど、細長いものは他にも噛んでしまっていましたが、飲み込むことがなかったのは不幸中の幸いでした。

対策リスト

やったことも書いておきます。
・対象物を取り除く
基本的にはこの対策が有効でした。
一方で、布団や椅子など、取り除くことが困難なものが対象物になると、途端に有効策がなくなり困り果てました。
・噛んだら霧吹きで水をかける
猫のしつけのために行うことが多い策です。
これはわさびにも一時的には有効でしたが、寝ている時や留守番の時にはやはり噛んだり食べたりしてしまい、わさびの行動を変えるまでの有効性はありませんでした。
・噛んだら霧吹きで酢をかける
これも、猫のしつけのために行うことがあります。
我が家は間取りを広いワンルームにしており、お酢の匂いが充満するのと、布にかかると匂いが定着してしまうので、あまり活用できませんでした。
・噛んだら大きな音を立てる
これも猫のしつけの際に用いられる手段です。
わさびに対しては、霧吹きと同等の有効性しかなかったことと、飼い主の私自身大きな音が苦手なことにより、こちらもあまり活用できませんでした。
・たくさん遊ぶ
ウールサッキングは退屈によるストレスでも起こりうるため、できる限りたくさん遊ぶようにしました。
わさびはおもちゃの好みが激しく、また飽きっぽいので、定期的におもちゃを買ったり食いつきのいいおもちゃの傾向を調べることで、なるべく飽きずに動いてもらいやすいおもちゃを調達していました。
これだけではわさびのウールサッキングが治りませんでしたが、他の対策と合わせ技で、一定の効果がありました。
・多頭飼いをする
保護猫カフェ出身などの多頭飼いに慣れている猫は、一頭飼いは退屈でストレスになることもあります。(個体差があります)
もちろんそれだけが理由ではありませんが、わさびのウールサッキングにもよい影響があることを期待して、二頭目(しぐれ)を迎え入れました。
この効果は正直、未知数です。
相性が悪いわけではありませんが、わかりづらく甘えん坊のわさびには飼い主の愛情を独り占めできないストレスが多少かかっていたように感じます。
一方で、二匹で追いかけっこで遊んだり、グルーミングしあったりと、運動量の増加と猫らしい生活という効果もありました。
ただし、安直に真似をすることは控えてください。先住猫にも、新入り猫にも、良くも悪くもストレスだからです。
・餌のあげ方を変える
それまで朝晩2回、置き餌でドライフードをあげていましたが、一気に食べてもらうためにウェットフードを混ぜるようにしました。
わさびの様子を観察する中で、ご飯を食べた後に歯磨きのかわりのように、噛むものを探しているような素振りが見えたからです。
結果的にはこの対策が一番有効で、他のストレスを減らす対策と合わせることで、ひとまずその後は布団へのウールサッキングが収まっています。

わさびがウールサッキングをやめられた対策

あくまでわさびの例ですが、
・遊ぶ・多頭飼いなどにより、ウールサッキングを引き起こしうるストレスをなるべく減らし
・ウールサッキングしやすい食事後の回数を減らすために、餌のあげ方を変えた
という、複数の対策により、症状は収まってきました。
病院への相談も減り、わさびの顔つきも心なしか穏やかになった気がします。

症状が収まったことで、私たちも精神的に楽になりました。
有効な対策が見つかるまで1年半以上かかっており、わさびも私たちもしんどい時間が長かったのです。
それまで私たちもとてもピリピリして過ごしており、それもわさびにとってはストレスだっただろうと申し訳ない思いです。

もし今、愛猫がウールサッキングをしてしまっていて悩んでいる方がいたら、
あくまで一例として参考にしていただければと思います。

追記:別の問題行動が出てきました。。。

このように一件落着したかのように見えたわさびのウールサッキング騒動ですが、残念な後日談があります。
元からお喋りなわさびが、朝晩のご飯が待ちきれず、毎回無駄鳴きをするようになってしまったのです。
寝ているところを起こされるので眠いですし、何分わさびは声が大きいので近所迷惑は気になります。
今はこの無駄鳴きへの対策として、霧吹きしつけから始めています。

それでも、ウールサッキングをしなくなったのは、命に関わる不安が少なくなり安心して過ごせるようになりました。
この安心は何物にも変え難いので、反発行動が無駄鳴きでよかったと思うほどです。